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トピックス

・・・つづき

ハンドルの切れ込みの続きです。
車では弱アンダーのハンドリングが良いなどと聞きますが、
バイクでは車に比べて何が良いとかはあまり聞かないですね。
CBの場合は強オーバーとでも言いたくなりますが、
こんな言葉もあまり聞いた事がありません。

ステアリング

でも、世の中にはちゃんとそんな事を研究している人達がいるんですね。
以前のエントリでも触れたMDRGというのがそれです。
上の図のように実際に走って計算結果を確かめたりしてます。
そしてそんな研究結果をネット上で提供もしてくれているんだから有難いもんです。
ハンドルを押し戻す力を言い表す良い日本語が無いと思うんですが(知らないだけ?)
彼らの言葉を借りればネガティブ ステアリングトルク
と言う言葉がそれに相当します。回転力なのでトルクなんですね、
ネガティブの理由は、力の向きが曲がる事を止めようとする方向だからです。

ステアリング

バイク自身の挙動としてはオーバーステアの状態です。
反対にハンドルをイン側にコジる力はポジティブ ステアリングトルクです。
これはアンダーステアの状態です。
ハンドルに何も力が要らない場合はニュートラルで、これならお馴染みです。

ステアリング

で、このステアリングトルクは手からの入力を現す言葉なんですが、
走行しているバイクのステアリング自身の振る舞いを表す言葉もあって、
ステアリング インデックスといいます。
日本語ではこの辺の概念に相当する言葉は無いのかもしれないです。
(良く知らないだけかもしれませんが(笑))
それで、だからCBの場合はグレートネガティブステアリングトルク
って感じなのでしょうか?
あとはオーバーステアのメカニズムが解れば良いのですが、これがなかなか難しい(笑)
すくなくとも直感的に解るシロモノではないです。

つづく・・・・・

・・・つづき

もうひとつの改良点はハンドリングです。
ハンドリングは好みの問題もあるので良いか悪いかと
簡単に決めてしまう事はできませんが、今回の場合は
少し偏っていると感じたので手を入れる事にしました。
具体的な症状はと言うと、ハンドルが強く切れ込むと言うものです。
コーナーの侵入時やコーナリング中にハンドルがコーナーの
イン側に強く切れ込もうとします。
なぜそうなるかは後で触れるとして、問題はバイクの挙動です。
もし、バイクまかせにしてイン側へ切れ込ませると、その瞬間
バイクは起き上がろうとしてしまいます。
バイクが起きるとコーナーを曲がれなくなります。
なので、ライダーはイン側のハンドルを前へ押して
切れ過ぎるハンドルを少し元に戻そうとします。
そうするとバイクはまたバンクして曲がり始めます。
しかし、ハンドルの切れ込む力は一定ではないので、
コーナリング中は終始微調整を強いられる事になります。
結果として安定したコーナリングが実現しにくいという事に
なってしまいます。

こんな症状はまったく経験した事がない人も多いでしょう。
それは乗り方云々もありますが、主な原因はバイク側にあるからです。
たまたまそういうバイクに乗る事がなければ解らないかもしれません。
(尤もタイヤがペチャンコでも平気で乗れる人は別ですよ(笑))
逆に気になってしょうがない人も結構いるのではと思います。
気になる自分がおかしいのか?と思う人も居るかもしれません。
今回の場合は、この症状がネイキッドバイクで強い事が問題だと
感じました。
ハンドルに体重がある程度かかっているスーパースポーツでは
力加減の調整は自然に出来てしまいますが、CBの場合は
ハンドルが近く姿勢も直立に近いので、その状態でハンドルに
力を入れる事は結構な違和感を感じてしまうからです。
人間は頭で全て理解してバイクを運転しているわけでは無いので、
上記のような状態でも、なんとなく違和感を感じつつも、
体が自然に反応して修正して乗っている場合があります。
でも、もし、あまりに乗りにくいと感じたら、
対策をする事で多少の改善は望めるかもしれません。
つづく・・・・

つづき・・・・

CB1300SF

足回りのモディファイ・・・・と言っても、わりと地味なモディファイです。
この車両は新車で購入して頂いたものですが、最初からリヤショックの
突き上げ感が大きかった事と、コーナリングに癖があって、
山道で遊ぼうと思うと、扱いにくいというのがオーナーの感想でした。

CB1300SF
(資料:本田技研工業)

この車両のリヤサスペンション回りには特徴があって、「ダブルプロリンク」
と呼ばれる構造を持っています。
(蛇足ですが、この名前を聞いて「懐かしい!」と思うのは同世代ですね?)
この構造を採用する目的は、プログレッシブ効果を得るためです。
プログレッシブ効果とは、最初は柔らかくても大きな荷重では踏ん張るという、
乗り心地と操縦性を両立する便利な機構なわけです。
しかし・・・理屈ではそうなんですが、実際に乗ると私もオーナーも硬く感じました。
因みに私は平均体重、オーナーは私の1.5倍ぐらいあります(笑)
にもかかわらず不快な突き上げ感はどうしてなんだろう?と。
しかし、これを改善する為には原因がわからなくてはダメですが、
実際に測定する術もないので、とりあえず複雑な機構による
シュウドウ抵抗が原因だろうという予想で、ユニットを外して
コンベンショナルな2本サス仕様に改造してしまいました。

CB1300SF
(資料:本田技研工業)

因みに上の図の左が通常のリヤショック、右がダブルプロリンクです。
通常のリヤショックの場合はアクスルに掛かる力の方向とショックの動く方向が
ほぼ一致しているので、力の向きはほぼ等しいのに対して、
プロリンクの場合は、いろいろな方向へ力の向きが変わり、それを
ベアリングの回転でつないでいます。
この機構そのものは一本サスのバイクでは当たり前な装備ですが、
CBの場合はリンクの位置が支点としてのスイングアームピボットから遠く、
力点となるリヤアクスルの位置に近いので、スイングームの
レバー比が少なく、相対的に回転部の抵抗が大きくなってしまう事、
また構成上、それがさらに左右で2セット使われている事が
動きの硬さにつながっているのではないかという想像でした。
結果としては、この改造で突き上げ感は改善出来ました。

つづく・・・・・