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トピックス

パイロット! その3

パイロット エンジン

このベアリングが異音と振動の原因です。
大きなベアリングなので原型は留めていますが焼き付きを起こしています。
通常通り、ベアリングセパレーターという工具で抜こうとしますが、
ビクともしません。
人力では無理そうなので、この後プレスで5トン程の力を加えましたが
やはりビクともしません。
これは普通の圧入状態では無いと判断し、抜く事をやめました。
無理やり抜くと、クランクシャフトを傷めてしまう事があるからです。

パイロット エンジン

ベアリングの分解に入ります。ボールの保持器を壊して外します。

パイロット エンジン

インナーレースだけにします。ここまではあまり苦労しません。

パイロット エンジン

どうやって抜くか、最後の手段(笑)でレースを切ります。
超硬のドリルでシャフトぎりぎりに穴をあけて、
さらにギリギリまで研石で削ります。
このぐらいかな?というところで叩いてクラックを発生させて抜き取ります。
これまた言葉にすると簡単そうですが、ここまでで相当な時間がかかります。
しかし案の定、レースとシャフトが膠着していました(帯状の白っぽいスジがそれです)
高い圧力と熱とでお互いの金属組織を共有してしまっている状態なので、
正常な金属同士の境界が崩れてしまっています。
このまま引っ張ると、かなりの傷が付くところでした。
シャフト側の膠着部はオイルストーンにて丁寧に修正します。

パイロットエンジン

クランク自体の点検もします。3/100ミリぐらいの振れがあったので修正しておきます。

つづく

パイロット!その2

パイロット
回転不良で持ち込まれたエンジンの腰上をバラした状態です。

パイロット エンジン

とても大きなプーリーがクランクシャフトに繋がっています。
プーリー自体は露出しているため、ローラーやプレートなどの可動部品は
ユニットの中に密閉されています。
クランク室の方はわりと見慣れた感じ。モトクロッサー然としてますね。

パイロット エンジン

プーリーのフタを外しました。スプリングと可動部が見えます。
が、モリブデングリスでベタベタです。すごくたっぷりと詰まってます。

パイロット エンジン

プーリーをエンジン本体から外したところです。
ポロッと外れたように見えますが、結合は太いテーパーです。
重さもあり駆動もかかるのでかなりガッチリ嵌まっていました。
本来は特殊工具を使う所なので、外すだけでも一苦労です。

つづく・・・・

パイロット!

<パイロット

ホンダFL400Rパイロットです。

結構な昔にUS向けに販売されていたサンドバギーです。
お遊び用にしてはずいぶん本格的な乗り物ですね。
エンジンは水冷2サイクルの400cc単気筒を積んでいます。
これだけでもゆっくり走る乗り物では無いことが想像できますね。
4輪版モトクロッサーとでも呼べる代物です。

これのエンジンがイカレてしまったので入庫したのですが、
エンジンも面白い構造をしています。
次回はその続きを。

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