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トピックス

XR250R足回りOH (その1)

XR250R
XR250R
ホンダXR250Rの足回りのメンテナンスのご依頼です。
XRシリーズといえば、4サイクルオフロードマシンの
代表格だったと言っていいでしょう。
国内モデルは純粋なレース専用車、逆輸入モデルはほぼ同じ仕様で
公道も走れるロードゴーイングレーサーでした。
XR250R
XR250R
同時期に、外観は似ているけれど構成されるパーツは違う、
そして、乗るとさらに違うXLRという純粋に公道用の
シリーズがありました。
エンジン回りで言えば、ハイコンプレッションのピストン、
リフト量の多いハイカムシャフト、大口径キャブレター、
大口径マフラー、オイルクーラーなどなどです。

加齢なる?エンジンブロー DUCATI編 (その1)

以前、別冊モーターサイクリスト誌で「華麗なるエンジンブロー」なる特集記事がありました。
壊れたエンジンにとっては「華麗なる」って言葉は労をねぎらっての賞賛の意味でしょうが、
それをひねって?加齢による金属疲労で起こるエンジンブローという意味です。

ドカティ750GT ピストン
見事にダメージを受けたこのピストンは美しいラウンドケースべベルエンジンに
収まっていたVeeTwo製ハイコンプレッションピストンです。
VeeTwo製とはいえ、製造はアメリカのWISECO社です。
ドカティ750GT コンロッド
ビッグエンドが破壊されたコネクティングロッド。

ドカティ750GT コンロッド
「単なる機械」とは思えないそれぞれ愛着のあるオートバイのエンジンパーツ。
どこか哀愁を感じてしまうのは、元気に走っている姿との対比からでしょうか?

RG250γ

RG250γ
RG250γの初期型。懐かしいですね。
若かりし頃、モーターショーでコイツに一目ぼれしました。
どうにも欲しくていてもたってもいられず、地元のバイク屋さんではどこも
3ヶ月待ちの状態だったので、あちこちに電話をかけまくり、そんな状態でも
何故か即納だった上野のバイク屋さんに直行した記憶があります。
今考えれば、値引き無しで高金利のローンなんていうネガティブな要素は
まったく眼に入らず、早く手に入れたい衝動で突っ走ってました。
納車日もザーザー降りの雨の中、都内の渋滞でエンストしながら走った覚えが
あります。

この車両も、「若い頃にあこがれた」経験のあるオーナーが手にした物ですが、
やはり相当な年月を経過しているので老朽化が進んでいました。
走るには走るという状態から完調にとのご依頼です。
RG250γ
2サイクルのエンジンはシンプルですが、各部の摩耗やシールの劣化などが
モロに性能低下に影響します。
RG250γ
このクランクケースはまだ綺麗な方です。
RG250γ
オイル以外に異物も見えます。
RG250γ
やはりクランクシャフトが錆びていました。
4サイクルエンジンと違い、オイルに浸かってない事や、ガソリンで洗われる
事もあって、放置されると錆ついてしまう事があります。
RIMG0074
結構痛んでいます。
RG250γ
こんな状態でも走るには走ります。
逆に、中古車でエンジンが掛かるからといっても・・・・
RG250γ
シフトシャフトも大きく曲がっていました。
足で操作するところなので、無理な力で曲がってしまう事があります。
少しでも曲がりがあると抜けないのでこの状態で修正します。
RG250γ
RG250γシリンダー
この年式の2ストのシリンダーは、バラすと錆びてしまっている物が多いです。
錆びるという事は、オイル分が揮発して無くなっている状態なので、
カサカサに錆びている状態から無理矢理エンジンを回された事があったはず。
しかも、長い年月を経てそんな事が2度3度起きているものも少なくありません。
これではシリンダーもピストン、リングも傷だらけになってしまいます。
RG250γ
2ストエンジンのリフレッシュでは、ピストン、シリンダー回りは是非手を
入れたいところですが、あいにくメーカー純正のオーバーサイズピストンは絶版です。
排気デバイスが付いた後期型のピストンは手に入りますが、シリンダーポートの
形状の違いから、リングストッパーの位置が違っていてそのまま流用できません。
他がほぼ同寸法だけあって惜しいところです。
RG250γピストン
そこで今回は、使えそうなリプロダクション品をUKから取り寄せました。
0.5mmオーバーサイズです。
これでボーリングすれば、シリンダーの傷や錆は綺麗に落とせます。
実物同士の比較では、まったく同じではないにせよ使える事が解りました。
RG250γ シリンダー
これで要のシリンダー、ピストンはリフレッシュできました。
因みにこのピストン、更なるオーバーサイズも揃っています。先々安心です。
RG250γ クランクシャフト
2ストエンジンのもう一つの要、クランクシャフトもリフレッシュ。
ビッグエンドのベアリング、クランクベアリング、シャフトシールも交換しておきます。
シャフトシールはラバーなので経年劣化しますが、このシールが痛むと
ミッションオイルが一次圧縮室に入り込み、プラグ汚損→エンジン不調の
原因になったりします。
RG250γ クランク
シャフトやウエイトの錆も綺麗に落しました。
RG250γ クランクケース
トランスミッション、クランクケースなどもキレイにリフレッシュ。
RG250γ クランクケース
RG250γ エンジン
これでエンジンはかなりリフレッシュできました。

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