普通の(公道用の)バイクに比べるとクランクやミッション回りの
消耗が激しいので入念に点検します。
組み立て式のクランクシャフトなので芯出しが必要です。
もちろん、クランクケースのベアリングも新品に入れ替えます。
クランクベアリングのハウジングには鉄のスリーブが鋳込まれていますが、
スリーブとベアリングの圧入代が減っている場合があるので、
ポンチでカシメたりなどが必要な場合もあります。
ギヤの一枚一枚が薄いのが特徴ですね。
レース用なので軽量コンパクトが優先された設計です。
そのかわりとしてギアの歯面に高い圧力が掛かるので、
繰り返し応力によって表面の硬化層が比較的痛み易いです。
進行性ピッチ(ピッチング)が起こりやすいと言えます。
どんなに良いオイルを使っていても力の伝達がある限りは
無くす事はできないですね。
このエンジンはオーバーホール時にギアを交換しない事が無いくらいです。
右方に大きなバランサーが見えます。
これのお陰でかなり振動が少ないですが、エンジンがリジッドマウント
な事もあって、存在感のある単気筒の鼓動があります。
若干肉厚のフライホイールです。
ここの重量でエンジンフィーリングがかなり変わります。
このエンジンはモディファイされていろいろなバイクに
使われていますが、
このXRのピックアップは絶妙ですね。
このエンジンで超軽量なロードスポーツバイクを造ったら面白そうです。
ピックアップが良いのでハイサイドが怖そうですが(笑)