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トピックス

メタリックなオイル (その4)

クランクシャフト

エンジントラブルの原因はコンロッドのビッグエンドベアリング
まわりでした。
ベアリングローラーが無残にバラバラになっています。

コンロッド

ビッグエンド

ビッグエンド

ローラーが直接当たるクランクピンのダメージもかなりあります。
これらから出た金属粉がメタリックなオイルの原因でした。
通常の使用ではこのような状態になる事はまずありません。
普通に乗ってここまでなるには、腰上のオーバーホールを何回も
重ねたり、車体回りの修理にも程々にお金をかけた後でしょう。
もちろん、オイル管理などはキチンとされていての話です。
大抵はその前に飽きてしまうか、ちょこちょこと小さなトラブルが
起き始めるとかで乗るのをやめてしまったりで放置され、
エンジンは大丈夫でも最後は商品価値が無くなって廃車というパタ
ーンが殆どでしょう。

このエンジンは大半がサーキットで使用されていて、
何回もの耐久レースや練習走行に使われてきたものです。
最後はレース中に寿命が来てしまいました。

話は前に戻って、小さいエキゾーストバルブのピストンへの当たりが
より大径なインテークバルブより大きい原因について。

両方のバルブ、シリンダーヘッドとピストンが衝突した原因は
他でもなく、コンロッド大端部のローラー損傷により大きく
なってしまったクリアランスによるものです。
このクリアランスの分、ピストンが上方へ行き過ぎて、
バルブやヘッドとぶつかってしまうのです。

クランクシャフトが回って圧縮行程でピストンを
押し上げる場合は、圧縮抵抗で下がり気味になり、
排気行程では上死点付近で慣性によりピストンが
上がり気味になります。
その時、上がりすぎたピストンに最初に当たってしまう
のがエキゾーストバルブなのです。

メタリックなオイル (その3)

ピストン

シリンダーまで外したら、ピストンの側面も傷だらけです。
これはピストンとシリンダー間のオイルクリアランスに
オイルと混ざったメタルパウダーが入り込んだ為です。

エンジン

エンジンブロー

クラッチ側のエンジンカバーを外したところです。
かなり「濃い」メタリックオイルが溜まっています。
これではピストンなどはひとたまりもありません。

オイルポンプ

オイルポンプを分解したところです。
こちらも内部が傷だらけになってしまっています。

このようにあらゆるオイルクリアランスの部分はダメージを
受けてしまっています。
特にこのエンジンは、オイルの汚れをろ過するためのオイルフィルター
が装備されていません。

つづく