簡単そうなスクーターの修理でちょとハマリました。
故障の症状は、ヘッドライト、テールライト、メーターライトが
全て点灯しなくなったというもの。
こんな場合の原因は、大抵は電気が通じてないか
電気が行きすぎて球切れを起こしているかのどちらかです。
早速ヘッドライトバルブをチェック。
見事にフィラメントが飛んでました。
こうなれば原因は電気の行き過ぎ。レギュレーターの
パンクだろうと判断し、
各バルブとレギュレーターを交換してエンジン始動。
当たり前のように正常点灯しました。
が・・・・ここから問題が・・・・
オーナーが来店し帰ろうとした際、ライトの点滅が発生。
どこか接触不良??ハーネスを触ったら原因らしき線を
特定出来、カプラー(画像の赤丸)を外したら
内部が水や砂でかなり汚れていました。
そういえば、ライトが切れる前に点滅していたとは
オーナーの弁。
うーん。2つの症状は原因が違うけど、たまたま起こった
んだろうなぐらいに考えながらカプラーを掃除、端子
を修正して接続。
今度こそ問題無く点灯!と喜んでいたら、
突然ライトが怪しい光を放ち出し、ギラギラしたなと
思ったら最後の輝きも無くその場でご臨終。
???なんで???何かおかしい・・・・。
常時点灯のライトが消えたのでレギュレーターに負担が掛かった
のかなどと少々迷走しましたが、よくよく調べたら意外な
ところでハーネスの断絶。
周辺をクリーンアップ後のこの写真では断絶していますが、
油と泥汚れとハーネスの束とで断線箇所を直接目視出来る状態
ではありませんでした。
恐らくここしばらくは断続状態だったと思います。
油と砂などが混ざった天然のコンパウンドたっぶりのハーネスが
スイングアームの搖動によってここまで削れたようです。
配線図上ではこの部分です。
この線は、充電系統の線でライト系統ではありません。
ちょっとカラクリが解らなかったので少々調べてみると・・・・
このレギュレートレクチファイアは上記のような回路を持っている
ようですね。(アドレスの場合はライトスイッチはありません)
ジェネレーターからの交流はダイオードとサイリスタ(SCR)1で、
直流に整流されバッテリーへ。
また交流のプラス成分のみこのDCレギュレーターで制御され、
設定電圧以上はツェナーダイオードからアースへショートされます。
ヘッドライト系は交流で点灯させているけども、プラスの成分は
DCレギュレーターで一緒に制御されるようです。
またマイナスの成分は充電系ではカットされ、ヘッドライト系では
サイリスタ(SCR)2からコイルへショートさせて制御されているようです。
つまりW/Rの線が切れるとライト系は独立した閉じた回路と
なってしまい、何の制御も効かなくなってしまうという事です。