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トピックス

昔のクラッチモディファイ

今ではあまり見なくなった空冷900SSです。
乾式クラッチですが、オイル漏れで湿式になってしまったため修理しました。

一見スプリングが錆びるほど乾燥していますが・・・

内部はオイルとダストでドロドロになっています。
主な原因はオイルシールです。熱とダストで厳しい環境にさらされているので、ドライブシャフトシール並みに傷みやすい部分です。

消耗品の交換とクリーニングでリフレッシュ。

実はこの車両は、もう十数年前にクレバーハンズオリジナルのジャダー対策をしていました。対策といっても、国産車のクラッチに使われている皿バネを流用しただけなのですが、激しいジャダーが見事に消滅したコスパの良いモディファイでした。湿式のシステムを乾式に使って耐久性は未知数でしたが、摺動部に摩耗はあるものの実用には問題なく、今回は再使用できました。次のオイル漏れまでは大丈夫でしょう。

内部のモディファイの為にカラーを入れてクラッチカバーを浮かせる事になりましたが、当時は冷却目的で穴だらけのカバーもあったので違和感無しの改造です。

加齢なる?エンジンブロー DUCATI編 (その5)

クランクシャフト

クランクシャフト

クランクシャフトもダメージを受けているので修理が必要です。
クランクピンには折れたコンロッドと強く当たった痕がついています。

クランクシャフト ベベル

今回使用するのはオーストラリアはVEETWO製のベベル用強化コンロッドキットです。

クランクシャフト ベベル

強化といってもロッド自体は純正っぽいですね。
ビッグエンドの内側にスリーブが入っていて、ベアリングのローラー径は小さく、
クランクピンの直径は大きくなっています。
海外製のキットパーツは、日本人的な見方からをするとちょっと大胆で怖い感じを
受ける時がありますが、コストと実用性のバランスは高いのかもしれません。

ミッション ベベル

トランスミッションのギアの一部も破損していました。

ミッション ベベル

ただ不幸中の幸いで、損傷を受けていたのは2枚のギアだけだったので、これも
VEETWOで用意されていたものに交換です。

加齢なる?エンジンブロー DUCATI編 (その4)

DUCATI 750GT

破壊された部分の断面を綺麗に整形してゆきます。なるべくRが大きく、均一になるように削り込みました。

ドカティ 750GT

同じ厚みで断面やRを整えた部品を作ってゆきます。

ドカティ 750GT

慎重に位置合わせをして溶接します。溶接によってケースに歪が出ないような段取りを考えながら作業します。
溶接で起こる歪はものすごい力なので、箱状のクランクケースなどは簡単に変形してしまいます。あちらこちらとバーナーで炙りながらの勘の作業です。

・・・もうかなり昔の話ですが、油冷のレース用のシリンダーヘッドを5、6台ぐらいまとめてドリリングにて軽量化した事がありました。
レース用なので余分な肉を削ぎ落とすべく電ドルにロングドリルの刃をセットして、ヘッドの外側、内側(冷却効果も狙い燃焼室の裏側など)をサクサクとドリリングしたのですが、その後ポート研磨をしている際に小さいアルミの巣のようなものが削る程にドンドン大きくなってゆき・・・

ハッと気付いた時に血の気が引いたのを覚えています。巣だと思っていたのはヘッドの裏側の軽量したドリルの穴の先端でした。数台まとめて加工してしまっていたのでかなりの事件でした。
まずはきっちりとポーティングをして貫通するところは貫通させてしまい、アルゴン溶接で軽量した部分を埋め戻して再度ポートを修正して仕上げたのですが、溶接によるヘッド全体の変形が予想以上に大きく、カムシャフトを乗せるとクリアランスが無くなっていて堅くて回らなくなっていました。
当然、燃焼室側の面も歪んでいたのでしょうが、こちらは研磨して多少は誤魔化せますが、カムシャフトホルダーはそういうわけには行きません。鉄ノコの刃を整形した工具で手加工でアルミを少しずつ削り取り、何日もヘッドを抱えてカムシャフトが軽く回るまでカムホルダー部を削っていったのですが、洗浄して組み立ての工程で、カムシャフトと平行に取り付けるロッカーアームシャフトが途中で入らない事が判明して万事休す。悪あがきの終焉を迎えました。

冷静さを失ってジタバタしながら泥沼にはまってゆく典型のような失態ですが、今となっては貴重な経験の一つになっています・・・

ドカティ 750GT

不幸中の幸いでケース内の壊れた部分は構造上、直接力を受け止める部分ではなく、ケース内部の空間を仕切る為の壁のような部分だったので、合わせ面以外はシビアな寸法合わせは必要ありませんでした。

ドカティ750GT

時間がかかって大変なのはこの面出しです。溶接時にぴったりの面を出すのは無理なので、多少プラスになるように材料を作り、溶接後に落ち着いてから周りと同一平面になるまで研磨してゆきます。最初はガリガリと鑢で荒削り、仕上げはストレートエッジで確認しながらオイルストンで面を作りました。合わせ面同士の平面が光明丹で綺麗に確認できるようになるまで忍耐のいる作業です。

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