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トピックス

スポーツスター変身中 (その3)

スポーツスター ピストン

アメリカ製のピストンリングで時々起こるトラブルです。リングがピストンの溝の中で折れ、熱の逃げ道を失ったピストンの一部が熱変形を起こしました。

スポーツスター ピストン

とりあえずはピストンを交換します。スポーツスター用のハイコンプピストンですが、シリンダヘッドが特殊なので・・・

スポーツスター ピストン

いささか強引ですが、ヘッドの燃焼室形状に合わせてピストントップを加工します。

スポーツスター ピストン

あまりスマートでは無いですが、壊れたピストンヘッドと同じような形になったのでこの仕様で使うことにします。ホンの少しだけ圧縮も上がりました。

オイルタンク

オイルタンクを改造して上面にホースの取り出し口を2個作りました。
ブローバイガス対策の為の苦心の末のソリューション?です。ブローバイガスとは混合気や燃焼ガスの一部がピストンとシリンダーの間をすり抜けてクランクケースに入って来てしまうものですが、走行中のクランクケースの内部はオイルの飛沫で満たされているので、そのままガスを放出するとオイルも一緒に出てきてしまいます。
通常はそうならないように迷路や別室を設けるなどの工夫がされている「ブリーザーシステム」を通るので、少量の「霧」程度のオイルしか排出されずにそのままエアクリーナーボックスへ導かれて再吸入させられます。
しかしレース用のピストンや社外のピストンへの交換ではガスの量が増えてしまう事があり、このスポーツスターの場合はブリーザーの位置などの問題もあってオイルを吹いてしまうというトラブルに悩まされました。尤もそうなる状況は限定的で、時間あたりの量が増える高回転で相応の連続運転時に限られ、例えば筑波サーキットの裏ストレートでは大丈夫でも富士スピードウェイのホームストレートではダメという具合です。
その対策として根本的な解決方法が見つからなかった為、ブリーザーから出てきたオイルとガスを一旦ドライサンプのオイルタンクに導き、そこでオイルだけをタンクへ戻してガスのみを排出させる2重ブリーザーシステム?へと改造しました。
この対策は功を奏し、その後オイルを吹く事は無くなりました。

xr600

ブローバイガスの増加とオイル消費の問題についてはホンダXR600R用のHRC製レース用キットのマニュアルの中にも対策についての説明があります。
その方法はいたってシンプルで、図中のA、Bの内径の違う2つのオリフィス(通路)の位置を入れ替えするだけです。
ドライサンプのこのエンジンのノーマル状態では、エンジン内部の潤滑系統へのオリフィス(A)の内径が大きく、外部のオイルタンクへのオリフィス(B)の内径が小さいですが、キット使用時はこれを入れ替えて潤滑系統へのオイルを減らし、オイルタンクへ送る量を増やす仕様に変更します。
ピストン、シリンダーの変更によりブローバイガスが増える為、それとともに流出するオイルの量を減らす事が目的です。
エンジン出力を上げる為のレースキットで潤滑油送量を減らす事は「?」に感じますが、オイルポンプの吐出量はアイドリングなどの低回転で十分な油圧が得られるように設定されている為に高回転時には逆に油圧が高くなり過ぎてしまいます。
そこで通常はある回転以上になるとリリーブバルブが開いて油圧を逃がしながら適切な範囲に調整しています。
キット使用時は高回転域での常用を想定しているので常時十分に油圧が確保出来るため、クランクなどで撒き散らすオイルの量を減らしてブローバイ対策しています。

SCREAMIN’ EAGLE 10

FCR

こんな感じでスクリーミンイーグルの新型スポーツスター用キットを改造して
FCRに取り付け・・・・

FCR

このように、K&N仕様のフィルター兼エアクリーナーカバーベースを取り付けました。

イノベート

最後に空燃比計を取り付け、リアルタイムで空燃比をチェックしながら
キャブレターのセッティングを出します。
二気筒だけれども、キャブレターが一個なので比較的楽な方でしょうか。

スポーツスター

時にはスポーツスターが集まります。
このバイク独特のフィーリングに魅了されているライダーは多いですね。

SCREAMIN’ EAGLE 9

エンジンチューン

スポーツスター

フロントシリンダーの方が作業がしやすいのでリアのコンロッドは休んでもらってます。

スポーツスター

スポーツスター

フロントバンクでピストン-ヘッドクリアランス、ピストン-バルブクリアランス、
バルブ-バルブクリアランスなどのデータを収集し、バルブリセス加工など
必要な加工を施し、再点検、調整をして本組立に入ります。

FCR

キャブレターはFCR仕様。
スクリーミンイーグル製のエアクリーナーキットを加工して装着。

スポーツスター

ロングリヤショック取り付けでベルトドライブ仕様の対策として、
ベルトテンションローラーを作成、取り付けしました。

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