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トピックス

クラッチ滑り

CB400SF クラッチ

「ホンダCB400SFのエンジンが掛かるけど走らない」という修理依頼。
その場で点検すると、気持ち良いくらい?にエンジンが空回り。
車両をお預かりにて分解点検すると、上の写真のような状態でした。

クラッチハウジング

フリクションディスクやクラッチプレートを取り外したハウジング。
このようにたくさんのゴミが溜まっていました。

クラッチ プレート

プレート側もかなり汚れています。

フリクションディスク

ゴミの正体は炭化したフリクションディスクの摩擦材です。
このディスクは綺麗に摩擦材が剥がれてしまっています。

しかし、通常、いきなりこのような事は起こりません。
こうなったのは、摩擦材が炭化するほどの熱が発生したからです。
鉄のクラッチプレートも摩擦熱で青紫色に変色しています。

クラッチディスク

赤丸の部分はクラックです。
これが何箇所も入ってバラバラになってしまう場合もあります。
今回の不具合のオオモトの原因はクラッチレバーの遊び調整不良です。

本来は初歩的な点検箇所で、調整もとても簡単な部分です。
しかしここの遊びが無いと、クラッチ板に十分な荷重が掛からず
摩擦力が減ってしまい、低負荷では大丈夫でも、大きな負荷が掛かった時に
滑りが発生して上記のような事になってしまいます。
今回もその滑りが摩擦熱の原因になったと言う事です。

とは言いつつも、こんな状態になる前になにかしらの兆候は出ていたはずなので、
原因がわからなくても「おかしいな?」と思ったら早めに修理依頼する事ですね。
定期的な点検も、こういった事を未然に防ぐ意味で重要です。
今回は、手にした中古車が整備不良だった事と、オーナーがクラッチ滑りを
感覚として判らなかった事が重なって起きた不具合でした。

XR600R エンジンO/H

XR600R クランク

普通の(公道用の)バイクに比べるとクランクやミッション回りの
消耗が激しいので入念に点検します。
組み立て式のクランクシャフトなので芯出しが必要です。
もちろん、クランクケースのベアリングも新品に入れ替えます。
クランクベアリングのハウジングには鉄のスリーブが鋳込まれていますが、
スリーブとベアリングの圧入代が減っている場合があるので、
ポンチでカシメたりなどが必要な場合もあります。

XR600R ミッション

ギヤの一枚一枚が薄いのが特徴ですね。
レース用なので軽量コンパクトが優先された設計です。
そのかわりとしてギアの歯面に高い圧力が掛かるので、
繰り返し応力によって表面の硬化層が比較的痛み易いです。
進行性ピッチ(ピッチング)が起こりやすいと言えます。
どんなに良いオイルを使っていても力の伝達がある限りは
無くす事はできないですね。
このエンジンはオーバーホール時にギアを交換しない事が無いくらいです。

XR600R クランク

右方に大きなバランサーが見えます。
これのお陰でかなり振動が少ないですが、エンジンがリジッドマウント
な事もあって、存在感のある単気筒の鼓動があります。

XR600R クランク

若干肉厚のフライホイールです。
ここの重量でエンジンフィーリングがかなり変わります。
このエンジンはモディファイされていろいろなバイクに
使われていますが、
このXRのピックアップは絶妙ですね。

XR600R エンジン

このエンジンで超軽量なロードスポーツバイクを造ったら面白そうです。
ピックアップが良いのでハイサイドが怖そうですが(笑)

XR600R エンジンO/H

XR600R ヘッド

これはエキゾースト側のバルブガイドです。
熱的にはかなり厳しい状況にさらされています。
相当に高温になるとみえて、オイルスラッジがこびり付いています。
この温度なのでゴム製のバルブステムシールも痛みやすいです。
また、このバルブガイドはシリンダーヘッドとの間にオーリングが
入れられていて、オイルリークを防止する構造ですが、
オーバーホール時には殆どの場合、オーリングは四角いプラスチックと
化しています。
そうなると、オイルリーク防止の効果は無いも同然の状態ですね。
なので、当店では元通りにするだけで無く、追加のオイルリーク
対策をとっています。

XR600R ヘッド

こちらはインテーク側。
かなり温度に差があるようで変色なども殆どありません。

XR600R ヘッド

ポートのカーボン落としはオーバーホール時にしか出来ない
大切な作業です。
この時にポート内部の段付きなどを修正しておくとより効果的です。
積極的に手を入れる場合はポーティング加工ですね。

ポートの清掃作業後にバルブシートの修正を行います。
これはサービスマニュアルに出ているシート面の「荒れ」の
修正のほかにもう一つ大事な役割があります。
それはバルブシートの「熱歪」を修正する事です。
修正の効果としては、こちらの方が大きいぐらいです。
空冷エンジン、油冷エンジンの場合はこの修正に時間が掛かる
場合は多いです。

つづく・・・

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