バルブ回りの分解をしてみると・・・
インテーク側のバルブですが結構汚れています。
一本はこんな感じで、
もう一本はこんな感じ。
かなり汚れが厚く積もっている感じですね。
汚れの本体はガソリンの未燃成分や圧縮工程、爆発工程時に漏れて来た
吹き返しのスラッジなどです。
ヘッド側の写真です。
排気ガスが通るエキゾースト側(上側)の方が綺麗です。
下側のインテークポートはバルブ同様に汚れが目立ちます。
拡大してみるとこんな感じです。
エキゾースト側はガスの流れの模様が付いているのが見えますね。
ポートの中がザラザラして見えるのは鋳物の肌です。
カーボンなどの蓄積は殆ど無い状態です。
燃焼室にもカーボンが蓄積していますが、これは標準的な
汚れ具合と言えると思います。
何しろインテークポートの汚れが酷いです。
ここまで汚れる原因の一つにはバルブとシートの密着度の低下が
上げられます。
つづく・・・
ホンダXR600Rのエンジンオーバーホールをしました。
このバイクは逆輸入車で、特にUS仕様は完全なレーシングマシンです。
二昔前ぐらいに「ロードゴーイングレーサー」なる言葉が使われましたが、
このバイクはまさにそれを地で行ってます。
パワフルで非常にパンチの効いたエンジンと軽量な車体の組み合わせで
乗っていて痛快ですが、反面、各部の寿命が短いです。
RFVCと呼ばれるバルブの放射レイアウトが良くわかりますね。
なので燃焼室も綺麗な球面形状です。
燃焼室の裏側の、排気ポートの上あたりは相当に高温になってます。
オイルのコゲで綺麗な?飴色になってます。
こうなるとブラシで擦っても落ちませんね。
インテークポート。マニフォールド付近は比較的綺麗です。
エキゾースト側はさすがに汚れていますが、異常というほどではないです。
しかし良く見るとバルブガイドの周りにオイルスラッジが結構
こびりついています。
これは、高温によって劣化したバルブステムシールからエンジンオイル
が吸い出されて蓄積したものです。
このバイクでは比較的多い症状です。
つづく・・・
取り出して洗浄したトランスミッションです。
まさに満身創痍といった感じです。
それもそのはず、走行距離が実に16万キロのツワモノです。
ココが壊れたニードルベアリングと接していたシャフト部です。
こんな感じでもまだ走行可能状態だったのがなんとも凄い。
ドライブスプロケットのセレーションもかなり凹んできています。
もっと酷い場合は段がなくなってスプロケットが空回りしてしまいます。
ギヤの歯面もかなり痛んでいます。
最初は(赤丸で囲ったような)小さなクボミが発生します。
これは進行性ピッチングと呼ばれます。
ピッチングは削れた傷とかではなく、表面が剥がれた穴です。
この剥がれが少しずつ進行して上の歯のように剥離が始まります。
最後には根元から歯が折れてしまいます。
シャフトのベアリングも傷んでいたことから、ギヤの噛み合いも酷かったと思います。
しかもこのエンジンは片側のコンロッドのビッグエンドのベアリングが完全に終わってました。
なので、ものすごい異音が発生していました。
その異音修理でエンジンを分解してみたらミッションもこんな状態だったわけです。
それでもなんとか必要なパーツを集める事が出来て、完全に修理する事が出来ました。
今は元通りになって元気に走り回っているはずです。
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