
例のスリーブが圧入&ボーリングされて帰ってきました。
 かなり分厚いです(笑)
 スリーブとシリンダーブロックのスキマをコーキングします。
 オリジナルだとここにはオーリングが入るんですが、
 効果を発揮する寿命が短いので、シリコンで溝を埋めます。

ハミでた分を落として綺麗に仕上げました。結構手間かかります(笑)
 通常ならこんなに手間をかけなくても大丈夫ですが、
 今回はシリンダーブロックをボーリングしているのでこの方法です。
 シリンダースリーブと違い、シリンダーブロックはそもそも
 ボーリングを想定して作られていません。
 なので、ボーリングすると予想外の事が起こる場合があります。
 内側の切削面に、それまで隠れていた鋳造時のス(小さい穴)が現れて、
 内側と外側を繋げてしまい、変な所からのオイル漏れの原因になったりします。
 組んだ後ではうまく対処しずらいので、事前にココを封鎖しておくのです。

バルブガイドは消耗品です。
 ヘッドが暖まっているウチに新しいガイドを打ち込めば手間が少ないですが、
 今回はいろいろ加工を施すので抜いた状態から冷まします。

ポートを整える為の加工をします。
 いわゆるポーティングです。拡大加工はしません。整えるだけです。
 このヘッドはバルブガイドが無い状態でのポーティングが効率的です。

たくさん積もっているカーボンを削り落とし、鋳肌のザラザラを削り、
 カタチを合わせながら・・・・と軽くやるつもりがついつい・・・・・
 このあとオーバーサイズのバルブガイドを入れる為にボーリングを依頼します。

見えない所だけど、せっかくオーバーホールをするなら少しでも
 調子の良いエンジンにしてあげたいところですね。
 一旦加工すれば、調子良さは長く味わえるわけですから。

アメリカへ発注していたスペシャルスリーブが到着です。
 型番「CLEVER 2」SPECIAL です。

パワーよりも耐久性重視というオーナーの為にオーダーした一品物です。

何がスペシャルかと言うと、スリーブ厚がスペシャルです。
 左がφ70にボーリングされていたSTDスリーブです。
 かなり薄くなりますね。薄過ぎると熱歪を起こしてブローバイが増えたり、
 オイル上がりの原因になったり、最悪はクラックが入ったりします。
 このスペシャルスリーブはSTDピストン用で、オーバーサイズに社外の
 φ70ピストンを使った時に十分な厚みが残るように作りました。
 シリンダーブロックとクランクケースを軽くボーリングして使う仕様です。