サイドスタンドブラケットの折損修理でお預かりしたトライアンフT120です。
折れてしまったブラケット部。過去に溶接等で盛ったりしながら修理してきた痕がうかがえます。
断面を見ると巣がたくさんあるので、この折れた部分を再び溶接で取り付けても十分な強度が出ないでしょう。
ブラケットを炭素鋼の棒材から切り出して整形しました。
折損部を根本から切断して、作ったブラケットをTIG溶接して完成です。
ノスタルジックな佇まいとは裏腹に、野性的でパンチの効いたエンジンフィールはアクセルを開けるのが楽しくなりますね。同じ欧州車のBMWやDUCATIと比べると、街乗りでの楽しさはコチラの方が上でしょう。狭い日本に合っているような気がします。
現在発売中の雑誌RACERSでは、AMAスーパーバイクのCB-Fを取り上げています。ゼッケン19番のフレディ・スペンサー号、43番マイク・ボールドウィン号、88番ロベルト・ピエトリ号とが一堂に紙面に集結し、各車の細かい仕様の違いなどを掘り下げて比較されるなど、今までのCB特集誌には無い濃密な内容になっています。CB-F好き、AMAレーシングマシン好き、そしてチューニングエンジン好きにとってはとても価値ある一冊になると思います。
微力ながらクレバーハンズもロベルト・ピエトリ号のエンジン回りで紙面作りに参加させて頂きました。80年代のデイトナを駆け抜けたCB-Fのエンジンには、古い基本構造の機関(当時はそれでも最新の設計思想だったはずですが)を限られた機械や技術で必死に改造し、150馬力のモンスターマシンを作る為に悪戦苦闘した当時のエンジニア、メカニック達の魂が刻み込まれているのを感じました。そんな ”・・・兵どもが夢のあと” を紙面を通して少しでも感じてもらえたら幸いです。
先のエントリで問題として挙げたタンクキャップ凹みの水抜き通路。
ホンダの場合は詰まりにくい太いホースと、ホースの折れ曲がりの無い
分離型受け皿タイプのジョイント部という構成で、もう万全の体制です。
いかにも日本らしい細やかな気遣いはNSR250など80年代から続いています。