CB1100Fのクラッチハウジングの修理です。
CBF系のここは比較的異音を発生しやすい部分です。
クラッチのアウターハウジングにはクランクシャフトからの
強大な力が伝わります。
その力は切り離しが出来るクラッチディスクを通して
インナーハウジングからミッションへと伝わります。
この一連の力の伝達の際に起こる急激な力の変動を吸収し、
部品にかかるストレスを低減するために、クラッチアウターハウジングには
ダンパーと呼ばれる緩衝装置が組み込まれています。
どんなバイクにもまずこの装置は入っていますが、車種によって
ダンパーの素材はラバーだったりコイルスプリングだったりします。
比較的小さい排気量のバイクはラバーが使われる事が多く、
大排気量車はコイルスプリングが多いようです。
ですが、このCBF系はラバーダンパーが使われています。
ここのラバーが劣化するとガタが出てしまい、異音の元になります。
加えてCBF系の特徴として、一次減速にハイボチェーンを使って
いる事。そしてそのチェーンに駆動されるスプロケット部にも
ラバーダンパーが組み込まれている事などがあり、旧車となった
今は全部にガタが出てしまうと、音どころか乗車した感触も
相当にメリハリの無い気持ちの悪いものになります。
尤も新車でデピューした当時から動力伝達には独特のクッション感
があったような記憶があるのですが...
つづく
ショベルヘッドのFXDLローライダー。
オーナーからウインカースイッチをなんとかして欲しいとのご依頼。
これのウインカースイッチは、曲がり始めから終わりまで押しっぱ
なしにしてなきゃいけない仕様なんです。
だから交差点などでブレーキやクラッチ、アクセルを操作しながら
ボタンから指を離せないのはたいへん難儀。
スイッチボックスを分解してノーマルのスイッチを取り外します。
このあたりはアメリカンな取り付け方法なので、わりと改造しやすい
んですよね。
このように表側のボタンも引っこ抜けば簡単に外れます。
ウインカースイッチユニットのリード線の半田を外します。
手前が今回換装するスイッチです。
奥側のstdスイッチは動作が「モメンタリ」と呼ばれるタイプで、
押して「オン」、放すと「オフ」になる構造です。
それに対して手前は「オルタネイト」と呼ばれる動作タイプで、
一度押すと「オン」に固定、もう一度押すと「オフ」に固定されます。
スイッチ自体はサイズが大きくなってしまいますが、そこはアメリカン
な空間がスイッチボックス内にあるので余裕で収まります。
こんな感じで取り付け終了です。
ボタンの出っ張りが変ってしまいましたが、使用感はかえってよく
なりました。
ちょっと前のBMWと同じような良好な操作性です。
スイッチの換装と一緒にウインカーリレーもワイドレンジのタイプ
に交換しました。
左右のボタンを同時に押すと「ハザードランプ」として動作します。
これが取り出した「折れタップ」です。
世の中には折れたタップを外す工具なども存在しますが、
条件が悪ければそれを使っても取れません。
そんな場合は削って取る事になりますが、折れたボルトと違って、
タップの場合は材質が硬いです。
「ハイス」と言って、ドリルの刃と同じ材質を使っています。
同じ材質同士では削る事が出来ないので、「折れタップ」は
厄介なトラブルなんです。
今回は超硬の工具や砥石を使い、なるべくネジ穴を崩さないように
取り外す事が出来ました。
しかし・・・
このように、ネジ穴がかなり斜めになってしまっています。
折れていたのがヘリサート用のタップだったので、ネジ穴自体も
大きくなっています。
溶接で埋める作業でもしない限り6ミリボルトは使えない状態です。
そこで今回はスイングアームのネジ穴を使うのはやめました。
チェーン引きに加工してあったネジ穴を利用して、ナットを回して
調整する仕様に改造しました。
本来の状態ではなくなっていますが、機能は十分に果たしています。
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