往年のチャンピオンマシーンです。
といってもこれはストマジ(スズキ ストリートマジック)です。
スタイルはバイクですが、パワーユニットはスクーターという変わったバイクでした。
90年代の後半、まだ4メーカーに活気が残っていたころのスズキの遊び心を
反映したバイクです。
当時、このバイクのワンメークレースが開催されてました。
オーナーの熱意に押されるように、不慣れなスクーターチューンに
悪戦苦闘した覚えがあります。
その甲斐あってか、年間チャンピオンに輝いたマシンです。
その後何年も放置され、今は見る影も無い状態ですが。。。。
しかし、数年振りに我がファクトリーに戻ってきました。
オーナーも元のままです(体形は変わりましたが)
これからボチボチとレストアです。
今回はオイル漏れの修理をしました。
このバイク、排気量250ccで非常にコンパクトなエンジンの割にはオイル系統が複雑です。
エンジンオイル、ミッションオイル、プライマリーオイルとしっかり3系統が独立していて、
それぞれの部屋に分かれています。
その上で、エンジンオイルはドライサンプになってます。つまり外部にオイルタンクがあるのです。
という事でオイル漏れを起こしそうな場所がたくさんあるという事です(笑)
今回は徹底的にそれらのオイル漏れを潰しました。
一系統毎に漏れの箇所を拾いながら、車体の姿勢を変えたりしながら(油面が変わるので)
と結構大変でした。
ついでにこの車両はガソリンコックからのガソリン漏れもありました。
こいつの修理もちょっと厄介です。
通常、ガソリン系統のパッキンはNBRと呼ばれるガソリンに強い二トリルゴムで出来ています。
今回もこのゴムで成型したガソリンコックのパッキンを作って対処したのですが、
ガソリンコックの内部形状との相性が悪くなかなか上手くいきませんでした。
写真でもわかる通り、コックが特殊な形です。
パッキンのスライドする円筒の側面にガソリン通路の穴があいているため、
どうしてもゴムが穴に引っかかってしまいます。
パッキンの外径を変えながら調節しても上手く行かず困り果てた挙句。。。。
もともと使われていた材料
コルクを使いました。
素材がボソボソしているので加工が大変でしたが、結果的には上手く作動するようになりました。
なかなかバカに出来ない素材ですね。再認識させられました。
別冊モーターサイクリスト(4月号)でお店の紹介記事が載りました。