
油冷のGSX-R系はカムシャフト回りの耐久性が低いですね。
 特にST-2仕様などにすると・・・

カム山の形が完全に崩れています。そうなると、

ロッカーアーム側もこのように深くえぐれてしまっている場合が多いです。
ハイカムシャフト、強化バルブスプリングへの交換は、
 パワーを得るために耐久性を犠牲にしてしまうものですが、
 それにしても寿命は短い気がします。
カムシャフトがもう少しバルブに近い所を押す形になれば、
 カム山に掛かる荷重を減らせると思うのですが。

新しいヨシムラカムシャフトは齧りの対策がされていました。
 赤丸の所にオイルの噴出孔があります。
 これで延命してくれれば油冷オーナーは助かりますね。

ジェベル200のエンジン異音修理をしました。
 音がピストン周りの感じがしたので、オイル切らしによる抱きつきかな?
 と思いながら腰上をバラしてみると・・・

なんとオイルリングのサイドレールがハミ出して折れ曲がってました。
 どうやらこのバイクは修理歴があるようです。
 新車からっていうのはちょっと考えられないですからね。

オイルリングによってシリンダーが傷ついてしまい、その隙間から
 高温のガスが吹き抜けた跡があります(矢印)

シリンダーにもクッキリと傷がついてしまっています。
 こんな状態で音はすれどもちゃんと走るんだから
 スゴイですね。
 尤も激しく使えば焼きつきを起こす可能性大です。

ピストン、リング、シリンダーとセットで交換しましたが、
 仕様変更のシリンダーが届きました。
 鋳鉄ライナー仕様から、”SCEM”と鋳出されたメッキシリンダー
 に変更になったようです。

往年のチャンピオンマシーンです。
 といってもこれはストマジ(スズキ ストリートマジック)です。
 スタイルはバイクですが、パワーユニットはスクーターという変わったバイクでした。

90年代の後半、まだ4メーカーに活気が残っていたころのスズキの遊び心を
 反映したバイクです。
 当時、このバイクのワンメークレースが開催されてました。
 オーナーの熱意に押されるように、不慣れなスクーターチューンに
 悪戦苦闘した覚えがあります。
 その甲斐あってか、年間チャンピオンに輝いたマシンです。
 その後何年も放置され、今は見る影も無い状態ですが。。。。
 
 しかし、数年振りに我がファクトリーに戻ってきました。
 オーナーも元のままです(体形は変わりましたが)
 これからボチボチとレストアです。