ミッションケース単体だと嵩は大きいですが、重さはそれほど
でもないです。
フレームの一部であり、また強度上重要なスイングアーム
ピボットも兼ねているので、そこいらじゅうにリブが走ってます。
単なるケースカバーと違って、合わせ面も厚いです。
ボルトの本数も多く、締結強度は高そうです。
因みにパーツが汚れて見えるのは二硫化モリブデンの色です。
異音が始まりかけた時ぐらいからGL5規格のデフオイルにモリブデン
が添加されたものに切り替えてみたのですが・・・・。
中のパーツを全て取り出したところ。
ミッションとシフターだけなので、さほど数は多くないです。
写真左から、インプットシャフト、カウンターシャフト、
アウトプットシャフトと並んでいます。
さて、問題の異音の原因はどうなっているのか?
カウンターシャフトの2速ギヤの歯面にダメージがあるのが
わかります。
走行時の異音から想像していたイメージと、実際の状況が
ピッタリと一致していたのがちょっと嬉しかった。
っとここで喜んでいてはオーナーに申し訳ないところですね(笑)
トランスミッションのトラブルはそんなに頻繁に発生するものではありません。
おそらく殆どの人が一生経験することは無いんじゃないかと思います。
しかし、全ての部品に言える事ですが、いつかは寿命が来ます。
このRTは「音」がオーバーホールのきっかけでした。
ある特定のギアからのギア鳴りが数年前から少しずつ大きくなって、
異常な挙動はまったく無いものの、そろそろアカンなぁという
音量になってきたのでオーバーホールすることになったものです。
なるべく早く異常の兆候を察知して対処することが出来れば、
被害を最小限に留める事ができるでしょう。
人間の体と同じですね(笑)
しかしいざミッションオーバーホールとなると、
RTはミッションケースにいろいろな構造物が結合
しているので、取り外すまでが大変です。
クランクケースから分離する時にオイルシールを痛めない
ようにするための特殊工具(ガイド)が必要だったりもします。
外してみるとフレームの一部を成している事が良くわかりますね。
この角度から見るとまるで「車」って感じです。
どうか終わるまでに地震が来ないように(笑)
BMW F650ダカールのモディファイをしました。
といっても、手を加えた時期は車両の発売後早々です。
10年近く昔の事です。
写真のように吸気系がFCR+K&N仕様になっています。
これは興味本位や闇雲に改造したわけではなくて、調子を改善するためでした。
この車両は当時、新車で販売したものですが、納車後から非常に
調子が悪かったのでした。
エンジンのかかりが悪い。信号でたびたびエンストする。加速が悪く非常にもたつく。
アクセルのツキが悪く息つきする。など、とても新車のインジェクション車
とは思えない症状が出ていました。
もちろん、お世話になっているディーラーさんとは散々やり取り
させて頂きましたが、当時は他にも同じような報告があったようで、
いわゆる仕様なので仕方が無いという結論になったという記憶があります。
新型車には時々ありがちな「初期ロット」の不具合だったのかもしれません。
しかし、それではあまりにもオーナーが気の毒だったのと、
オーナーの決意もあったので、改良することになったのです。
(実際、私が乗ってもこれは酷いと思いました)
改良の詳細は忘れてしまいましたが(笑)、結果的には非常に調子の良い、
乗っていて楽しいエンジン特性になりました。
しっかりと650cc単気筒の歯切れの良さも感じられます。
大昔、カワサキのGPZ1100Fのインジェクション仕様を
やはり「改良」する目的でキャブレター仕様に変更した事が何台か
あるのですが、まさか今どきのバイクでもやるとは思いませんでしたね。
実はこのバイク、改良後はオーナーの転勤で長い間九州の地で走っていたのですが、
昨年から関東へ帰って来て久しぶりに整備で対面したのが上の写真です。