バルブ同士のクリアランスを広げる為に、バルブのアタリをチェックします。
光明丹でざっと確認したあとにバルブ摺り合わせします。
これは本来のバルブとシートを密着させる為ではなく、バルブと
バルブシートの位置を正確に知る為の作業です。
こんな感じでバルブに対するバルブシートのアタリの位置がわかりました。
この写真を見て、おやっ?っと思う人もいるでしょう。
幸か不幸かマージンがやたら多かったのです。
写真の赤い矢印で示している部分がバルブの外側のマージンです。
このマージンが少ないとバルブの有効径が広がります。
セオリー的にはシートをもっと広げてビッグバルブの効果を十分に
引き出したいところですが、今回はバルブ同士の干渉が問題なので、
このマージンを削ってバルブの傘径を小さくします。
ガリガリとグラインダーで削り落としました。
外周を削るとバルブの厚みが増してしまうので、
バルブの底部も削ります。
最後はもちろんピカピカに仕上げます。
つづく・・・
クリアランスを確保するためにバルブリセスを加工します。
せっかくのハイコンプピストンをあまり削りたくないので、
最小限の削りで収まるようにしっかりと測定します。
あとはガリガリと削るだけ。
コスワースっぽい仕上げになるように手で仕上げたり・・・。
実はこのエンジン、ピストン−バルブクリアランスだけではなくて、
バルブ−バルブクリアランスも非常に厳しい状態でした。
写真はプラグ穴からゲージを作って差し込んでいる状態です。
この状態でもバルブ同士が接近しているのがわかるでしょうか?
実際の測定は、エンジンを仮組みしてバルブオーバーラップ時のIN
、EXバルブの傘が最接近するポイントで何種類かのゲージを差し込
んでみて、ゲージにかかる抵抗でクリアランスを測定します。
ここでクリアランスが取れない場合はバルブタイミングの変更などで
逃げるという選択肢もありますが、
スポーツスターの場合は構造上ちょっと無理です。
なので、今回の場合は、バルブそのものの加工で逃げる方法をとります。
つづく・・・
油圧のタペットアジャスターは微妙なクリアランス測定には不向きでした。
何回がバルブを押し下げている間に少しずつ中のオイルがリークして、
計っている寸法が変わってしまいます。
しかたないので、タペットを分解してオイルの代わりに金属の
カラーを仕込んでロックさせてしまいました。
そうすると、バルブクリアランスをゼロに調整するためにアジャスター
が必要になってきます。
ちょうどSTDのプッシュロッドが微妙に曲がっていたので二つにぶった切ります(笑)
そこにネジを溶接してアジャスターにしました。
これでやっと正確なピストン−バルブクリアランスが測れます。
計ってみた正確なクリアランスの値は・・・0.1ミリ以下(笑)
う〜ん。やっぱりボルトオンとはいかない事がハッキリわかりました。
つづく・・・
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