ウインカーリレーと言えば長らくこんなスタイルでした。
独特な形をしているので、ウインカーが点滅しないなどの
修理の際は見つけ易く、交換し易いパーツでした。
値段も安く、700円ぐらいで買えた覚えがあります。
80年代中頃からはこんな感じに変わって行きましたね。
ウインカーの他にもいろいろなリレーが搭載されはじめましたが、
皆同じような形なので、外見だけで簡単に見分ける事は出来なくなりました。
これは80年代のBMWのKシリーズのウインカートラブル修理の際の写真です。
緑色の箱を引っ張り出すと車体に対しての大きさがわかると思います。
ウインカーリレーとしてはかなり大きいです。ちょっと複雑なユニットです。
この頃は樹脂で固めていないので中身がそのまま出てきます。
まるで古いトランジスタラジオの基盤みたいです。
基盤の裏側です。赤丸で囲ってある部分の半田で固定してある「足」の周りが
汚れているように見えます。
この「足」は半田が十分に付かずに中途半端に固定されていたようで、振動で
外れてプライマーである「ヤニ」が削れて出てきた感じになっています。
目視で原因が判明したので、比較的簡単に修理が出来ました。
こちらは2000年代後半のドカティ400モンスターのメーターです。
走行中にエンジン不動となりレッカーで入庫された車両です。
キーをオンにするとインジケーター点灯せず、セルモーター回らず、
ウインカーも点滅せず、イモビのランプのみ点滅している状態でした。
エンジンがかからない原因はいろいろありますが、イモビライザーという
盗難防止装置が付いている車両では、これの故障が原因になっている事が
あります。エンジンを掛けさせまいとするシステムなので当然ですね。
イモビライザーはシステムとしてイグニッションスイッチの周りにアンテナが
ありますが、そのアンテナとECUを仲介する役目をメーターが担っています。
現在の車両は、メーターがメーターの機能に留まらず、幾つかの機能を集約
した電子デバイスのようになっています。
そして先ほどから話題にしているウインカーリレーも実はこの中にあります。
小さいリレーが入っていると言うよりも、マイコンがリレーの動作をするような
プログラムがメモリーに格納されているという方が適切でしょうか?
つまり、メーター内のコンピューターが正常動作しないと、エンジンも
掛からなければ、ウインカーも点滅しないのです。
これの場合は苦戦しましたが、何とか正常動作させる事ができました。
メーターアッセンブリーはかなり高額なので、気軽に交換しましょう
とは行きません。
イモビの認証システムの関係で、中古メーターにも簡単に交換する事が
出来ないので、電子化が進むこれからのバイクは仮に些細なウインカーの
トラブルでも、車両自体の乗り換えを考える時代になるかもしれませんね。